17時から開店、“西裏飲み”の一軒目は地元の名店「伏見」へ
まず、「伏見」がどんなお店なのか、簡単にご紹介いただけますか?
一郎さん:「伏見」は私が6歳のときに父が開いた店なので、もう51年になりますか。今も家族経営を続けていて、母や妻、それに子どもたちも大学の夏休みや冬休みには店を手伝いにきてくれます。店内に貼ってあるメニューは、親父が趣味の一環で筆を使って書いたものですね。
ご家族で経営を続けられているのですね。普段、お店はどんな雰囲気なのでしょう?
一郎さん:常連さんが8割で、残り2割は一見さんや観光のお客さんです。西裏の居酒屋は、大体20時くらいから営業が始まる店が多いと思いますが、「伏見」は17時から営業しているので、まずうちで一杯引っ掛けてから西裏の繁華街に飲みに行くというお客さんも少なくないですね。
まつ子さん:おにぎりやうどんみたいな食事のメニューも多いので、締めに寄るお客さんも多いですね。昔はね、機屋さんや市内の青年団、昭和大学の学生さんたちもよく来ていたんですよ。ここで夕食を食べながら飲んだり、歓迎コンパで使ってもらったり。今は家族連れもよく利用してくれますね。
先代から継いだ豊富なメニューと食材へのこだわり
「伏見」では、どんなメニューが人気ですか?
まつ子さん:唐揚げや焼き鳥、串カツあたりはよく出ます。焼き鳥系では特にネギマやタンなんかが人気ですね。イカバター、ポテトフライ、それに茶碗蒸しも昔ながらのメニューとして残っています。
一郎さん:あとはマグロや鮎の塩焼きかな。馬刺しもすごい人気ですね。大西肉店っていう有名な精肉店が富士吉田市にあるんですよ。ふるさと納税でも全国的に人気になっていて、うちの馬刺しやタンも大西肉店のお肉を使わせてもらっています。
唐揚げも串カツもものすごいボリュームですね。何か大きさにこだわりがあるのでしょうか?
一郎さん:あまり大きさは意識していないのですが、よく大きいとは言われますね。親父の代からずっとこういうサイズで出していました。もしかしたら食べざかりの学生さんもよく来ていたので、彼らのためにボリュームを意識したのかもしれないですね。
まつ子さん:私が漬けた自家製の漬物も、ずっとサービスで出しています。その日によって出すものは変わりますが、今日はたくあんのビール漬け。ビールやマスタード、お酢なんかを使っていて、味は京都の千枚漬けに近いかしら。お客さんもよく「美味しい」って言ってくれるんですよ。
食材にこだわりもあって、ボリュームもある。若者も喜びそうですね。飲み物はどんなものが人気ですか?
一郎さん:ハイボールや生ビール、焼酎が人気です。4人くらいで焼酎のボトルを飲んでいるお客さんも多いですね。うちのハイボールは角瓶を使っているのですが、ウイスキーが濃いめなんですよ。一般的な規定量は30mlだけど、45mlにしています。これは結構、お客さんにも喜んでもらっていますね。
駅前に立地し、駐車場も完備。
つい長居したくなる「伏見」の魅力
飲み屋が多い繁華街と比べて、伏見は食事も充実しているので、家族連れでも利用しやすそうですね。
一郎さん:家族連れで来られるお客さんも増えたので、食事メニューは増やしました。そのおかげで、二次会で場所を変えず、このままここでご飯を食べていくお客さんも多いですね。
まつ子さん:観光客でもいろんな方が見えますね。最近だと、河口湖でサイクリングしたあとのお客さんが来たりもしました。「富士山、すごく綺麗でしたよ!」なんて教えてくれてね。
一郎さん:あと、このあたりは忠霊塔の桜が綺麗に見えるので、春は夜桜を見に行く前に寄っていくお客さんも多いですね。
早い時間から営業している上に、食事メニューも豊富なので、本当に誰でも気軽に利用できますね。
まつ子さん:うちは駐車場も10台分用意しているので、ぜひ車でお越しになって、運転代行サービスを使ってお帰りになっていただけるといいと思いますよ。駐車場はちょっとわかりづらい場所になりますが、言ってもらえればすぐに案内しますので。
一郎さん:「伏見」は月江寺駅を出てすぐのところにあるので、電車で来てもらってもいいかもしれません。河口湖までの終電も23時半くらいまではあったはずなので、河口湖周辺に泊まっているみなさんも、ぜひゆっくり飲んでいってほしいですね。
まつ子さん:ぜひ皆さん、遊びにきてください。いつもお店ではほとんど私が喋っていますが、皆さんの土産話はいつもとても面白いので、ぜひ楽しくお話をしにきてくれると嬉しいです。
開店から50余年、家族で西裏の客たちをもてなし、見守ってきた大衆割烹「伏見」。長年地元で愛されている人気メニューの数々はいずれも絶品で、ボリュームも満点でした。腰を据えてゆっくり飲むもよし、さっと食事だけ済ませるもよし。いろんな楽しみ方ができるこの西裏の老舗、知っておくときっと重宝するに違いありません。